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 3ヶ月くらい前だったか、インターホンを新しくしました。それまでに使っていたものは音が遠くなり、雨が降ると雑音が入って訪問者が何言ってんだかさっぱりな状態になったため。最初は自分の耳がおかしいのかと思って、不安になったものですよ。

 そんな状態になる前から、物騒な話を聞くたびに「カメラ付きのに換えよう」と父上は繰り返していたのですが、かといって行動に移すわけでもなく。まあ、いつも何に関しても大体そんな感じの人です。しかし今回は本気。あれこれカタログを集めては比較し、取り付け方を模索し、時間をかけて決めた機種を購入。この手の作業はそこそこできるので、父上が自ら設置しました。壁から微妙に浮いてるけど、まあ見逃しましょう。

 以前のは応答するのに受話器を取る必要がありましたが、今度のはボタン1個押せばOK。ただし周囲の音もしっかり拾ってくれそうなので(前のも拾ってたかもしれないけど)、対応する本人以外が近くにいる時は、余計なことを言うと訪問者にばっちり聞こえてしまいそうです。もちろんカメラ付き。コマ撮りながら録画可能で、留守時に誰かがやって来てもあとから確認が可能なすぐれものです。夜間は照明が点くため、暗くても顔がわかります。

 設置を終えた父上は、何度も外に出て押しては動作をチェック。妻と娘に鬱陶しがられながらしつこくチェック。もうわかったから、ちゃんと見えてるから、そんな笑顔で手を振られても!

 ということがあってから多分3ヶ月くらい。郵便屋さんだったかなぁ、ヤマトだったかなぁ、佐川ではなかった気がするけど、誰かが荷物を持ってインターホンを鳴らしたのです。映像は画面に勝手に表示されるので、鳴った瞬間にその姿を見ることができます。その瞬間、たまたま画面の正面に父上はいました。外の様子は明らかです。普通なら応答してはんこを持って玄関に向かうところですが…、何故か硬直したままその場を動かない父上。何してんの?不思議に思いながらその背中を見ていますと、長い数秒ののち、無言のままはんこ片手にとことこと玄関に向かって行くのでした。

 …この人、自分で設置したくせに応答の仕方をわかってねぇ!


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