去年の夏、あれやこれやと騒がせてくれた親戚夫妻(の旦那さん)。コレとかコレ参照。退院したおばちゃんは元気だし、おじちゃんは相変わらずのすっとぼけだけど、ひどく悪化したりはしていない様子。そして無事車の運転はしていないというか、バッテリーがあがって動かず、鍵もおばちゃんがこっそり隠しているそうなので大丈夫そうです。
(以下、しょうもないくせに大変な長文)
これまでは年に3度くらいは会っていたのですが、おばちゃんの退院以来、丸1年以上ご無沙汰していました。両親はちょいちょい様子を見に行ってたけど、まああんななので、こっちのコンディションが良くないとついていけないわけですよ。しかし土日の私はしょっちゅうぐったりしているわけですよ。ここ1年ほどは「ごめん今回も無理…」と辞退しっぱなしでした。でも小さい頃からかわいがってもらっていることだし、大きくなったら寄り付かなくなるよくあるパターンをなぞるのは気に食わない。さすがにこれ以上間隔をあけてはいられないと気合を入れて訪ねてみましたらば、案の定難題をふっかけられました。「タブレット買ったの。使い方教えて!」。
ちなみにおばちゃん70代。パソコンは年賀状ソフトのテンプレをそのまま印刷するくらいならできる人。携帯電話をスマホにするか悩んだ末、ガラケーに機種変更+タブレットを購入したらしい。タブレットは展示品をいじったことすらありませんが、まあ電話ができない(のか?)画面のでっかいスマホみたいなもんでしょ?と軽い気持ちで「見せて見せて」って言ったら、出てきたのはiPadでした。…アップル製品、触ったことねえ!
思い返せば、私が初めて触ったパソコンのOSはWin3.1でした。いつから家にあったか覚えてすらいないパソコンで、一体何をしたかもよく覚えていないけれど、ウィンドウをうっかり閉じすぎて勢い余ってシャットダウン、というミスをしょっちゅうしたような記憶があります。その後95、98、2000、XPと慣れ親しみ、現在は7を愛用。私にとってパソコンとは常にWindowsのことでした。マックといえば、リンゴマークのついたスケルトンな丸っこい三角の箱です。マウスにボタンがひとつしかないだと?それ不便じゃないの?「なんでWinにはこんなところに閉じるボタンがあるの?」だと?じゃあどこに配置すんのさ?…まあそんな感じで(?)、気が付いたら『わけがわからないもの』と定義付けていたのがアップル製品。新製品が出るたびショップ前にできる行列をテレビ中継で見るだけの、その程度の関わりしか持つことはないだろうと思っていたアップル製品の使い方を、私が人に教えようだなんて…!
ちょっとしためまいのようなものすら覚えましたが、気を取り直しましょう。少なくともおばちゃんよりはうまく扱えるはずです。取説代わりに自分の携帯電話(当然だがAndroid)を片手に、『産経新聞が見たい』というリクエストに応えるべく、いざ挑戦。
ホーム画面にApp Storeのアイコンがあるので、それをつっつけばいいことくらいはわかります。おばちゃん自身もアプリのダウンロード画面までは辿り着けるけど、その先がわからないとのこと。ふむふむ、つまりこれはApple IDとやらをまだ登録してないのだな、と思って登録しようとしてみますと、あえなくエラー。このIDは使用済みか…。ではこれだと?エラー。ハイフンの位置を変えてみる。エラー。単語を足してみる。エラー。単語の前後を入れ替えてみる。エラー。これでもかというくらい長くしてみる。エラー。……どんだけ!?すかさずスマホで検索してみる(IDなしでもiPadで検索くらいできるが、一切活用する気のない私)ものの、これといった原因が見当たりません。あの手この手を使って試しても果てしなくエラー続きで、諦めた私(と両親とおばちゃん)は、おとなしく購入したauショップへと出掛けることにします。興味ゼロのおじちゃんはわんこと留守番。
土曜だし、iPhone6発売直後のせいもあってか、店内では待ちくたびれた風の人たちが何組かいました。長くなりそうだなぁと思いつつ、自動受付機に入力。そのあいだに、もうひとつのリクエストだった『料理のレシピが見たい』を片付けましょう。Safariを立ち上げ、さくっとクックパッドへのショートカットをホーム画面に設置。おしまい。最初ブラウザがどれかわからず、Safariとやらがそうだと気付くまでにちょっと時間を要したのは内緒です。
そんなこんなで待たされること1時間半。ようやく順番がきて、Apple IDの登録がどうしてもできない旨伝えますと、返ってきた答えは、オブラートを取っ払うとこうです。「アップル製品の使い方は教えられません」。な、なんですと!?何その無慈悲な大人の事情。でも公式ヘルプはわかりきったことしか書いてないし、質問サイト系でも解決しなかったし、じゃあどうしたらいいの?「まあ僕は触れませんが、話を聞くくらいは…」。大人な対応をしてくれました。
幾度となくやっては失敗した手順を、店員さんの目の前で再現してみると、やはりエラー。別の場所から登録してみては?と言われ、それもすでに試してはいたけど、いくつかのルートからやってみてもエラー。そのうち「ここからでは?」と、私が見付けられなかったところを教えてくれると、おお、エラーメッセージが変わった!でも変わっただけでエラー!「IDが使用中でも、2、3度変えたら大体通るんですけどねぇ。おかしいですねぇ」「携帯のアドレスと同じにする人も多いですよ」とか言われつつ、あれこれ試していたら、何かの拍子にするっと通っていきなり登録完了できました。さっきもこのID試したはずだけど、もうどうでもいいや!…って、おにいさん、これだけ弾かれるのは珍しいとか、携帯アドレスと同一にする人が多いとか言ったね?結局しょっちゅう面倒見てんじゃん?
さて無事登録できましたので、あとはログインするだけです。登録さえできればあとはこっちのものなのです。とか言うと先の展開は読めますが、ご想像通りログインも弾かれまくるのです。私これまでいろんなところでいろんな登録してきたけど、これだけエラー食らったことなどないし、こんな手間取ったことなんて一度もなかったよ。そして少し手間取ったとしても、最終的に問題が解決した時、いつも必ず「そうか、あれが原因だったか」ってわかって納得してきたよ。あ、ログインできた!なんで!?原因がさっぱりわからないよ…!
高かった日もすっかり暮れました。原因がわからなければ気になって帰るわけにいかないと思い販売店までやって来ましたが、まさかの最後まで意味不明でした。エラー以外にも、私にとってそこにあるべきものがなく、したいことができないといった現象が3分に1回はあったように思います。ボタンが少ないマウスに疑問を覚えて10年以上が経っているかと思いますが、実感しました。マウス関係ないけど、不便極まりない。そして今回堅く決めたことは、私は一生自らアップル製品と関わることはないということです。今度iPhoneユーザの友達に会う時、ありったけの尊敬のまなざしを向けようと思います。
…とはいえ、おばちゃんに使い方を教える程度には関わるはめにはなるんですよねぇ。基礎的な操作はできるようになるとは思うんですが。要は慣れですしね。いじってればそのうち何となく使えるようになります。私は無理だけど。慣れたくもないわ。とりあえず今度行ったら有用と思われるサイトをブックマークしまくるべく、Safariのブックマーク登録の仕方だけでも知っておかなければ…(頑張ったがどういじくりまわしてもできなかった)。
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