
東京へひとり旅をしてきました。田舎育ちだというのに、出掛ける先も都会より田舎(というか自然が多い方)を好む私が、どうして大都会・東京へわざわざ1人で向かったかというと、みくにさんの復帰ライブがあったからです。
4年前、休業前ラストライブの告知を見て、復帰される時にはきっと行こうと決断していたのでした。今じゃないのかよ、というあたりが非常に出不精なのですが。だって東京だよ!新幹線が東京駅に近付くたびに迫ってくる都会感とか超怖いし!だから先延ばしにはするけれども、いつかその時がきたら絶対に行こうと。
さて、その時がついに来ました。場所は渋谷です。し、渋谷ですか。あのテレビでよく見るスクランブル交差点があるところな?東京駅>東京タワー・スカイツリー>皇居>渋谷っていうくらい、東京の象徴のようなあのへんな?ビビる滋賀県人。そんなところに日が暮れてから行くなんて、と怖気づくものの、街灯もまばらな田畑広がる地元より、都会の明かりと人通りの方がよっぽど安全かもしれないですね…。
当日はさんざん迷子になりながら、ライブ前にちょこちょこ寄り道して、ついに辿り着きました渋谷DESEOmini。ストリートビューで見た赤い壁と、ちょろっとできていた開場待ちの列を見て何の疑いもなく最後尾に並んでしまいましたが、っていうか本当にここでこの列並んでいいんだよね?と、しばらくしてからいそいそ確認したのは内緒です。
慣れない東京、初めてのライブ、どう振る舞うべきなのかほかの人の様子をちらちら盗み見て、タオルとフォトセットを買い(この2点を購入で、セットの中の写真1枚にサインをしてくれる)、整理番号順入場なので呼ばれる番号を聞いていたらいつもの仕事中の癖で「○○番の方ー!」を復唱したくなり、ていうかあと少しで生でみくにさんの歌が聴けるよわーい!の変なテンションでそわそわを通り越してちょっとくらっとしたりして、真顔ながらわりと立ってるのが必死だったりもしたんですけど。いや、でもその変なテンションがなければ逆に立っていられなかったはずです。立ち見ライブなので、始まる前に倒れている場合ではありません。
クラシックのコンサートはそこそこ鑑賞経験がありますが、こういうライブは初めて。爆音のイメージがあるので耳栓をするべきか悩みましたが、やめておきました。大きい音はしんどいだろうけど、せっかくの機会だし。大きい音がある程度以上になると補充現象もかき消されるため、ライブ中は大丈夫だろうと判断しました。終わってからが怪しいけれども。
いよいよ開場、オープニングアクトのあと、all the wayのイントロと共に登場するみくにさん。その瞬間思ったのは、非常にベタでしょうもないことでした。『ホンモノや!実在したんや!』。いやわかってたけど、そりゃ存在してたでしょうけど、でも15年ほどファンをやっていて、今まで数mの距離に生身で立ってるとかありえなかったわけですよ。きっとモナリザを生で初めて観る感覚に近いのではないかと思います(※モナリザを生で観たことはない)。
今でも覚えています。めちゃイケで初めてみくにさんの名前を知ったこと。その時は特に何も思わなかったわりに、何故か名前を覚えていたこと。放送延期の憂き目にあったのち、ようやく放送開始したフルメタのOPを初聴でいいなと思ったこと。誰の歌だろう、ああ、前にめちゃイケに出てた人だ、と思ったこと。その後京都のアニメイトに行った日がtomorrowの発売前日で、すでに店頭に並んでいて、あまり衝動買いをしない私が当時としてはそこそこ高額だったそのCDを衝動買いしたこと。何となくラジオを聴くようになったこと。それまでの旧作も中古で探して聴いたこと。それまで音楽を聴くという習慣があまりなかった私が、10代後半から20代半ばの時期に繰り返し繰り返し聴いたのがみくにさんの曲でした。
(ところで試しに入力した『しょちょう』で『初聴』が変換できたけど、そんな言葉あるのか)
そんな人が!今目の前で歌ってるってどんな状況!?わからん!!
わからんも何も、非常にシンプルな状況なんですけど。しかもCD音源に劣らないどころか進化している…。休養明けってそういうのだったっけ?
大音量は、もはや大きすぎてよくわかりませんが多分しんどい。けれど前よりも少し角が取れたような歌声は非常に心地よかったし、ライブなんてメニエール(疑い)殺しだと思っていましたが、殺されるだけの価値は十二分にありました。おつりがくるくらい、むしろ何度でも殺されたい。
特に聴けてよかったのが『冬のナイフ』です。特に好きな曲のひとつだけどアルバム曲だし、まさかの選曲でした。というのを胸の内にしまっておく必要性など皆無なので、自分の中の乏しい積極性を総動員して、ライブ後のサイン会でご本人に伝えてきました。何も手につかないくらい思い悩んでいた頃、ぐさりと刺さったこの曲の詞は、一生ずっと何かの折に思い返し続けると思うのですよ。『二つの想い 二つの世界 一つになるために必要なことは?』。必ずしも一つになる必要はないかもしれないけれど、隣にい続けるために必要なことは何か、それが何もせずに維持できる当たり前ではないということを思い出させてくれて、考えさせてくれると思うのですよ。同時期の『蕾~tsubomi~』と並びだったこともあり、更にぐっときました。生で聴けてよかったです。本当によかったです。
よし。また行くぞ。
コメントする